MESSAGE
研究室は「人」を育てる場所
—我々の教育方針と、研究を通じた社会との接続点—
我々には、研究室で学生やポスドクと向き合う上で大切にしている3つの教育方針があります。
- 自分が「やってもらって嬉しかったこと」を、次の世代に実践すること
- 自分が「やられて嫌だったこと」は、絶対にしないこと
- 「してほしかったこと」を、今の学生たちに惜しまず提供すること
このシンプルだけど深い信念を軸に、研究室では一人ひとりの個性や希望を尊重しながら、科学者としても、人としても豊かに成長できる環境づくりを目指しています。
たとえば、研究が一定の成果に達すれば、国内外を問わず積極的に学会発表の機会を提供しています。ボストンでも、モントリオールでも、バルセロナでも、世界のトップサイエンティストが集まる舞台に、学生が堂々と立つ――そんな姿を何度も見てきました。自分のデータが世界でどう評価されるのか、自分の言葉で伝えた時にどんなフィードバックが返ってくるのか。それは単なるキャリア形成ではなく、本当の意味での「科学に向き合う自信」を育てる体験です。
もちろん、研究は成果が出ればいいというものではありません。私たちのグループでは、RNA構造を操作する「RNA hacking」技術を軸に、基礎研究と応用研究を両輪で進めています。これは遺伝子発現制御の新しいパラダイムを提示し得るものであり、学術的にも、医療応用としても非常にポテンシャルの高い研究だと信じています。
そしてこの技術は、論文で終わるものではありません。私はこの技術の社会実装を目指して、スタートアップ「StapleBio Inc.」を創業しました。つまり我々の研究室では、基礎研究の先にある「社会の現実」「薬になるということ」「ベンチャーの論理」「知財の戦略」といったこともリアルに学べる環境があります。論文を出すだけでは終わらない、“その先”を知ることができるのです。
だからこそ私は、ただデータを積み上げるだけで満足しない人たちと一緒に研究がしたいと思っています。「研究を通して、世界に何かを届けたい」――そう考える学生さん・ポスドクの皆さん、ぜひ一度、話をしましょう。